2002.01.14
Center for Digital Imaging and Sound
(CDIS)
『最高の指導陣、最新の機材、洗練されたプログラムを通じて、世界に通用するメディア技術を身に付けよう!』
バンクーバー市に隣接するバーナビー市にあるCenter for Digital Imaging and Soundは、今日のエンターテイメント業界を支えるデジタルメディア技術を総合的に教える特殊専門学校です。この学校が地元ばかりでなく、広く業界から高い評価を受けつづけている理由を探りに取材を行いました。
★困ったことがあれば何でも相談に来て下さい。留学生の力になります!
(Michelleさん:International Student Advisor/留学生の入学前のビザ手続きから入学後のカナダでの生活全般をサポート)
−学校の沿革について教えてください。
「Center for Digital Imaging and Sound(以下CDIS)は創立以前はレコーディングスタジオでした。22年前レコーディング技術にまつわる教育を目的として16名の生徒で発足したCDISは、メディアのデジタル化に伴い学部や施設を拡大してきました。今年は638名の生徒を擁するまでに成長し、最新のエンターテイメント技術を教えるカナダ有数のメディアスクールとなりました。」
−プログラムの概要を教えてください。
「現在CDISにはNEW MEDIA & WEB(インターネット技術)、ANIMATION(アニメ製作技術)、VISUAL EFFECTS(特殊効果技術)、DIGITAL FILM(デジタル映画撮影技術)、GAME DEVELOPMENT(ゲーム製作技術)、MUSIC & RECORDING ARTS(音響・録音技術)、 MEDIA & COMMUNICATIONS(メディア理論)、NETCASTING (ネット放送技術)、ACTING(演劇)の9つの学部があり、36のプログラムが開設されています。」
−留学生の割合はどのくらいでしょうか?また留学生の入学条件は何ですか?
「全体の生徒のうち約12パーセントから15パーセントが留学生で、主にアメリカ、韓国、インドからの留学生が多いです。入学条件は志望するプログラムにもよりますが、基本的にPCとMackintoshのOSとメール、ワープロなどの基礎的なソフトの操作ができることと、英語で話したり書いたりできることの2点です。英語能力の最低クリアラインとして、TOEFL500点(コンピューターベースの場合は173点)を設定しています。」
★CDISをこよなく愛するあまり、CDISを卒業後にアドバイザーとして就職。
(Fredさん:Program Advisor/プログラム選択、コース選択などアカデミックな問題をサポート。生徒のよき相談相手)
−あまり専門的な知識のない留学生でも、CDISの授業についていけますか?
「心配することはないでしょう。もちろん、普段全然音楽を聴かない人がSound Mixingのコースを難なく取れるということはないでしょうが、自分の興味ある分野に対する愛情と情熱があれば、多少の困難があっても必ずやっていけます。自分のやりたい分野を明確に把握していることも大切ですね。」
−CDISのプログラムは一般の大学やジュニアカレッジとどう違いますか?
「私達は学生に対しとにかく職を見つけること、CDISで身に付けた能力を社会に還元することを希望しています。ですから、実践ですぐに役立つ技術を教えているのです。一般の大学を卒業する学生のように「学位はあれど、職はない」といった状況にはなってほしくない。」
−それではCDISのプログラムは他のテクニカルカレッジと比べてどう違いますか?
「一般のテクニカルカレッジでは大変技術的に高度な水準を要求され、ある業界のある職につけるという専門性があります。一方、CDISでは入学時に必要な知識は一般的なPC操作と語学力のみで、入学時にそういった専門性を問うことはありません。またここのプログラムは学部間の横の繋がりがあり、デジタルメディア業界全般に渡って仕事ができるように考慮されてコースがデザインされているのです。それだからこそ、生徒はある業界のある職のみでしか働けないという、つぶしの利かない状態に陥ることもないのです。このように高い専門知識や技術を教えつつ、柔軟性のある方向性をもって指導する専門学校は、実際は数えるほどしか存在しません。この特徴のおかげでCDISは業界や卒業生から高い評価を得ています。」
★将来はSound RecordingとVisual Effectsの技術を両方生かせる仕事につきたいです。
(Jae-Ikさん:韓国からの留学生/Visual Effectsのプログラムに在籍)
−なぜカナダを留学先に選んだのですか?
「韓国では映像の特殊効果技術が、残念ながらあまり進んでいないのです。北米がその分野では一番進んだ技術を持っているし、教育機関も色々あるのでカナダにやってきました。」
−この学校を選んだ理由は何ですか?
「カナダに来た最初の6ヶ月は、英語を向上させるためにESLスクールに通っていました。その後、コロンビア・アカデミーでSound Recordingのコースを10ヶ月受講しました。それから、より専門的な技術を身に付けたいと思っていたところ、CDISのことを知りました。他にバンクーバー・フィルムスクールという学校も候補にあったのですが、たくさんの学科を短期間でこなさなくてはならない上に、授業料がとても高かったのです。CDISも確かに宿題やプロジェクトが多いですが、もっと時間的な余裕があるように思われました。授業内容を比べるとCDISの授業料はリーズナブルだと感じています。」
−クラスのサイズや様子はどうですか?
「今受講しているコースは約18名程度生徒がいます。留学生は自分だけですが、移民の人も多いです。授業中は分からないことがあってもインストラクターから丁寧に教えてもらうことができます。また生徒同士でも分からないことがあると、教えあったりしています。クラスメートとお互い向上しあっていける雰囲気がありますね。」
★授業の様子
★自分の専攻だけに捕われない柔軟性のあるカリキュラムが、真のクリエイターを作ります。
(Jeff先生:Instructor/AudioとEntertainment Businessの両プログラムで教えている)
−CDISで教えていて一番魅力的なことは何ですか?
「他のプログラムに在籍している生徒と触れ合えることです。今教えているコースはAudio理論概論ですが、Audioのプログラムに在籍している生徒用にデザインされたコースではなく、その他のプログラム、filmやアニメーションなどに在籍している生徒用にデザインされたコースです。Audioの生徒は音楽をクリエイティブなものとうけとめていますが、filmの生徒は映画を盛り上げる効果として音楽を捉えています。こうやって、生徒から音楽に対しての多様性を教えてもらうことができるというのはCDISのプログラムの長所であり、他の専門学校ではなかなかないことだと思っています。」
−留学生は授業についていけるでしょうか?
「CDISの授業は理論だけではなく、実際に機材をつかってなにかを作り上げていくスタイルがほとんどなので、授業でやっていることが全く分からないということは起こりにくいでしょう。またCDISでの成績はコースにもよりますが、プロジェクトの出来不出来が占める割合が非常に高いです。例えば今私が教えているクラスでは、筆記試験の占める割合が50%で、プロジェクトの占める割合が50%です。万一、あまり英語で書くのが得意でない場合でも、プロジェクトで挽回できる可能性はいくらでもあります。また、プロジェクトは他の生徒とチームを組んで行うものが多いので、チームワークが大切になってきます。ですので、英語の能力だけでなく、他人とうまくやっていく協調性も必要とされますね。」
−他の専門学校と比べてCDISのプログラムの利点は何でしょうか?
「とにかく実践的なところですね。少人数のクラス、非常に高価な本物の機材、すぐに役立つ技術指導を行っています。ちなみに今教えているクラスは生徒数8名で、高価な音響と画像を同時に加工できる機材を、1人1台与えられています。CDISの生徒は卒業すると同時に、業界において実践力となることが可能です。自分が大学にいたときは理論が主体で、なかなか実践的な技術が身につけられず、とても残念に感じたことを今でも覚えています。しかしCDISでは理論も実践も両方同時に身に付けていくことができるのです。」
−いつでも生徒を社会に出たときの実践力とするというゴールが先生にも徹底されているのですね。
「そうですね。私達は常に業界の動向に敏感でなくてはいけません。今求められている技術というのを必ずコースに反映していかなくては時代の流れについていけないからです。ですので、指導する側も絶えずそういう動向をキープアップしていかなくてはなりません。講師であるといっても、まだまだ学ぶことはたくさんあるのです。」
★学校の風景・最新鋭の設備
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サウンドミキシングの機材
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ロッカー
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エントランスホール
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シアターでの講義 |
撮影風景 |
バンドのレコーディング
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廊下に飾られた生徒の作品
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撮影風景
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本格的なレコーディング施設
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★最高の指導陣、最新の機材、洗練されたプログラムを通じ、優秀な人材をエンターテイメント業界に送りつづけることが私達の使命です。
(Cliffさん:Director /CDISに来る前はバンクーバーのエンターテイメント業界、特に音楽業界を中心に35年間従事していた)
−CDISは業界とのとても強いつながりがあるようですが。
「この学校にはインダストリー・リレーションズという業界担当の専門スタッフ が1名おり、毎日エンターテイメント業界の色々な会社を訪問しています。そこで今業界ではどういう作品を作っているのか、新しい作品製作のために新規のスタッフは必要か、またその製作においてどんな最新技術やソフトウェアを使っているかなど、業界の動向を調べて学校にその情報を持ち帰ってきます。そういった業界の新しい動向を、私達のプログラムやカリキュラムがカバーできないと判断した場合、プログラムをその都度改新 していくのです。これは生徒が卒業後、業界に就職したときに、CDISで学んだことと実際業界で求められる技術とにギャップを作らないためです。」
−講師陣の質をどのようにして保っていますか?
「CDISでは毎セメスター終了時に、講師に対してのサーベイ(査定評価)を行っています。細かい調査項目に数字で評価をしてもらい、また別
にコメントがあればそれも記入してもらっています。講師だけでなく、プログラムやコース、学校のアドミニストレーションのスタッフも全て評価してもらうようになっています。問題があるコースや指導者があった場合、すぐに把握できるようなシステムを作っています。」
−就職をゴールにしているCDISの生徒にとって大切なことは何ですか?
「カリキュラムを通じて、実用性の有る技術力や柔軟な創造力を身に付けていくというのはもちろんですが、就職するときに当たってはこの2点以外に、社会人としてのマナーのある態度が大切になってくるでしょう。実際職につく際、会社が新しい人材に対して求めていることの約半分は、この社会人としてのマナーだと私は思っています。というのも、私達エンターテイメント業界の仕事は、ほとんどチームワークで行うものだからです。例えばゲーム業界では、ひとつのゲームの製作が開始してそのゲームが店頭の陳列棚に並ぶまで、18ヶ月のプロジェクトを手がけています。だいたい230人程度のスタッフでそのプロジェクトをこなしているわけですが、第一日目から完成して納品する日まで、チームとして上手く機能していかないと、よい作品を期日までに作ることは不可能なのです。こういう業界での傾向をよくふまえた上で、CDISではチームとしてのコミュニケーションスキルやレジュメの書き方など、マナーある人間を育てるという教育方針もとっています。」
<取材後記>
CDISでは、生徒も先生もみんなIDカードを首から下げています。これはCDISが学校を24時間、365日休みなく開校していて、深夜学校に来たときにフロントの守衛さんにカードを提示する必要があるためです。本物の機材にできるだけ長く生徒を触れさせる方針をとっていることで、生徒は好きな時間(深夜族も多い!)に学校に来て最新の機材を使って、プロジェクト制作をすることができます。
授業内容は、本当に実践的の一言につきます。移り変わりの早いデジタルメディアの世界の最先端で、CDISは常に、次の流れを読んだ授業内容、一流の指導陣、想像できないくらい高額な機材をアメリカの学校に比べると比較的安価で提供しているのです。Cliffさんのインタビューからは「我々がパイオニアであり、フロンティアである!」という自信が強く感じられました。
業界との強いつながりがあるCDISでは、生徒が高度な専門的技術を習得した後は、職業斡旋担当者のサポートにより、カナダやアメリカで仕事を見つけています。留学生の多くは帰国して、デジタルメディア業界でよい仕事を見つけているそうです。
映画業界はもちろん、ゲームが大好きで自分で作ってみたい、インターネットでもっと多様な表現をしてみたい、就職に繋がるようなデジタル技術を身につけたい等の手に職系希望の方の要望に必ずCDISは答えてくれるでしょう。
レポート Jpcanada.com取材班(abe)
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