2002.11.01
VIBT Vancouver Institute of Business and
Technology
『アカデミックとコミュニケーションの2大柱で、通常のESLより一歩踏み込んだ高度な英語力を身につけよう。』
ダウンタウンから少し離れたブロードウェイストリート沿いにある、Vancouver Institute of
Business and TechnologyのLanguage Training Division (以下VIBT)。この辺りは、ダウンタウンの中心部からわずか5-10分程度の距離で、最もバスが多く走る便利な地域でもあります。プログラムは、大学や専門学校に行っても困らない英語力をつけられるように組まれているようです。
★真剣さとカジュアルさがバランスの良く融合されたプログラムです。
(Somiさん:Marketing Manager/屈託のない笑顔で生徒さんと接している姿が印象的です。)
-プログラムの特徴を教えて下さい。
「午前中のプログラムは、アカデミックプログラムということで3時間3クラスの構成です。1人の先生がリーディング・ライティング、もう1人がスピーキング・リスニング、さらに違う先生がグラマーという様に、それぞれのクラスで先生が違います。このアカデミックプログラムは、教科書と問題集を使用し、大学進学準備に焦点をあてた学習をします。午後は、よりカンバセーションやコミュニケーションに力を入れたクラスが2時間、その後に選択授業が1時間あります。TOEFL、TOEIC、発音が毎日、ビジネス英語が1週間に2回、ロールプレイ、ジャーナリズムが週1回行われていて、月曜日から木曜日まで、全て違うクラスを受講することも可能です。これらの選択授業は、月単位でスケジュールを登録するようになっています。」
-クラスや学校の雰囲気を教えて下さい。
「VIBTの場所がダウンタウンではないことからでしょうか、韓国人、日本人の数は他のESLと比べてかなり低くなっており、通っていただいている生徒さんは、皆さん真剣に大学などの進学を目指して勉強しています。これは当校が、ESLだけではなくIT, ビジネス、コンピューター会計技術、といったディプロマコースや、アメリカのオクラホマシティ大学MBAプログラムを提供していることも、アカデミックな雰囲気をより強めているのかもしれませんね。ですから、ESLで遊ぶ、という感覚で来てしまわれると、その生徒さんは非常に困ることになりますね。」
-相当厳しそうに感じられますが。
「確かに、しっかり勉強する生徒さんが多いのは事実ですが、いつも生徒さんを教科書と講義でしばりつける、ということではないんです。特に、午後は全く教科書を使わずに、ビデオやCD、特に初級レベルでは、実際に銀行やスーパーに行ったりして、コミュニケーション能力を高めることを目的としています。こちらは午前中のクラスに比べて、リラックスした雰囲気の中でとにかく会話をしよう、というクラスですね。その後の1時間は、先程も紹介しましたように、毎日違うクラスを選べる選択授業で、自分の興味のある分野に没頭できます。」
-金曜日もクラスがあるのですか?
「午前中は通常どおり、アカデミックプログラムがあります。ただし、金曜日の午後はアクティビティーがカリキュラムの中に含まれています。やはり、生徒さんには学校と家の往復だけ、という味気のない生活を送ってほしくはありません。クラスで習った英語を外で生かすためにも、このカナダの生活をもっと吸収するためにも、このアクティビティーをコミュニケーションのクラスの一環として提供しています。行き先は、カヤックやハイキングといったアウトドア系のものから、図書館、歴史的建造物、美術館といったものまで様々です。しかし、これは必修参加、というわけでもないんです。TOEFLの試験が近づいているから学校に残って勉強していたい、などという生徒さんのためにも、先生も1人必ず学校に残って、生徒さんの指導をすることになっています。ですから、"学校のルールがこれです。みんなはそれに従わなければならなりません"というのではなく、一人一人の生徒さんが満足できるようにカリキュラムを作っています。」
★なんといっても先生達がおもしろいし、教え方もばっちりです。
(Jasonさん:生徒/中国で高校を卒業してこちらに来ているそうです。)
-VIBTに通うことになったいきさつを教えて下さい。
「カナダには、英語とコンピューターサイエンスを勉強する為に来ました。バンクーバーを選んだ理由は、気候が良くて過ごしやすいと聞いたからですね。最初は、違う学校のESLに通っていたんだけど、先生達が大学を卒業したばかりで、ESL教師としての経験が浅くてあまり良くなかったので、VIBTに移って来ました。VIBTはクラスのサイズも小さく、クラス毎に先生が変わって、その先生達がなんといっても楽しいんです。」
-クラスの様子を教えて下さい。
「僕は今フルタイムで、午前にアカデミックのクラス3つ、午後のカンバセーションと選択授業を取っています。レベルは中級です。午後の選択授業は月毎にスケジュールが決まっていて、今月は発音、ボキャブラリー、ロールプレイ、ビジネス英語を取っています。中でもロールプレイのクラスが楽しいです。このクラスでは、例えばその日のトピックが"病院"だとしたら、誰かが先生になって誰かが患者になる、というシチュエーションでトークやディスカッションをします。授業の雰囲気は、クラスメートは8人くらいなんだけど、みんな良く知った友達なので和やかで、いつも笑いが絶えない感じです。」
-今後の予定を教えて下さい。
「VIBTでもう少し英語の力をつけてからTOEFLを受け、SFUかLangara Collegeでコンピューターの勉強をしたいです。」
★生徒さんに英語を教えることが楽しくてたまりません!
(Paulさん:講師/リスニング・スピーキングクラス、上級コミュニケーションクラス担当。)
−VIBTで教えるようになった経緯を教えて下さい。
「一番初めは、日本の岡山県で英語を教えていたのですが、バンクーバーに戻ってからも、大手予備校のトーフルプログラムと、ESLで教えていました。VIBTで教えることになったのは、どのスタッフもフレンドリーだし、講師も一丸となって生徒にベストな授業を提供しよう、と努力していることに魅了されたからですね。今は本当にこの雰囲気の中、チームの一員であることをとても楽しんでいます。」
- 生徒さんがVIBTで勉強する際のメリットはどのようなところだと思いますか?
「それぞれのクラスで講師が変わるので、それぞれのクラスを専門的に学ぶことができる、という点だと思います。それと、バランスのとれた総合的なカリキュラムもポイントです。文法やライティングなど、アカデミックに必要な分野をしっかり学ぶと同時に、カジュアルな日常生活にも活用できるコミュニケーションまで網羅できます。」
-Paulさんは会話のクラスを専門に教えてらっしゃるそうですが、特にこだわった教え方、というものはありますか?
「そうですね、どのレベルのクラスでも、"質問・回答タイム"というものを授業の最初に5-10分設けています。よくある授業の形式として、生徒さんが質問をして、講師が答えるだけ、またはその逆だけ、というものがありますよね。でも、それだけでは会話の練習をしていることになりません。実際の会話、というのは質問をすることと、それに答えることの2つから成り立つわけですから、両方ができなくては困ります。バスに乗っている時、本屋で面白い本を発見した、スーパーで見たことのないものが売っていた、どんな話題でもいいんですけど、僕の方から何かおもしろいことはなかったかい?という具合に話題を振って、そこからみんなで質問し合ったり、自分の意見を言ってもらったりしています。生徒さんはカナダ以外の国から来ているわけですから、自国の文化や習慣とカナダの違いについて必ず疑問があるし、それに関して興味深い見解を持っている、というのが鍵なんですね。とってもおもしろいディスカッションになっていますよ。そのウォーミングアップを終えてから、その日の本題に入り、日常で使われる熟語や会話表現を教えています。」
-会話のクラスでも、教材を使うのですか?
「午前中のクラスはアカデミックのクラスなので、教科書で整理されたトピックに基づいて授業を進めます。午後はもっとカジュアルな雰囲気で、教科書はなく、教材もこれ、といったものを決めず、ビデオやCDなど必要だと思うものは何でも使用してコミュニケーションの力を養います。会話の授業で一番大切なのは、講師が喋り続けることではなくて、生徒さんがいっぱい喋る、できればミスをしてくれる、ということです。そのミスをこちらが直して生徒さんの会話力を向上させる、これが最大の目的ですよね。」
-会話のクラスを教えることで大変だと思うことは何ですか?
「うーん、そうですね、これといってないんですけど、強いていえば、いつも自分をスーパー明るく保っていることでしょうか(笑)。会話のクラスなので、ど〜んより沈んでいては会話がはずむわけがありませんしね。なので、家に帰ったらものすごく疲れている、ということはありますけど、これはどんな仕事をしていても同じですね。」
-クラスで喋らない生徒さんがいても苦労しませんか?
「もちろん最初の2,3日は生徒さんも緊張しているし、クラスに馴染むまでの時間がいると思うんです。でも、その時が実は一番大事なので、冗談をいったりして場を和ませながら、新しい生徒さんがクラスの中で孤立しないよう、常に輪の中に入りやすいように、笑いを交えて授業を進めます。大切なことは、"会話をしている時、またはその後にいやな思いをしないこと、喋っていて楽しいと思うこと"だと確信しています。ですから、生徒さんが居心地良くクラスで学んでもらえるように努力はもちろんしていまが、自分も冗談を言ったりして楽しんでいるので、決して苦労なんかじゃありませんね。」
★学校と授業の風景
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授業風景。
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コンピューター室。ディプロマコースの生徒さんと接する機会もあります。
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ホールの様子。
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掲示板。
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プロフェッショナルな雰囲気たっぷりの、受付にあるロゴ。
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ここで一息つく人も多い、学校裏のガーデン。
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★講師の質に自信あり!
(Judieさん:Head
Teacher /ご自身の教師経験を生かして、スケジュール管理などを含め講師陣の統轄を担当しています。)
-プログラムの概要を教えて下さい。
「私達が提供するESLプログラムは、専門学校以上の高等機関へ進学を目指している方向けの、アカデミックプログラムが主となっています。午前中はカナダの大学、または専門学校の授業についていくための総合スキルを学びます。しかし、それだけでは十分とは言えないので、午後にコミュニケーションスキルが学べるようにカリキュラムを組んでいます。」
-VIBTのESLで特に秀でている、と思われる点は何ですか。
「講師の質、に非常にこだわりを持っています。殆どの講師に、自分が教える分野の学位を持っていることと、英語指導経験を課しています。多くの学校は、3,4ヶ月で習得できるTESLの資格を持っている、というだけで講師を採用しています。しかし、当校では、専門分野に精通していることと経験を重視していますので、例えば文法の講師はライティングと文法、リーディング・ライティングの講師は作文と文学の学位を持っています。もちろん学位だけにこだわるのではありませんが、特定の分野を専門に学んできている、ということは指導をするにあたって最低限のことですから、知識も経験もない講師に生徒さんを任せることなど到底できません。」
-どのような生徒さんがVIBTに通われているのですか?
「ただESLに通って終わり、という生徒さんよりも、ESL後にカナダにおいて進学を考えられている方が殆どです。それに加えてビジネス、コンピューターのディプロマコースとアメリカの大学のMBAプログラムも提供している関係で、その方面での進学を目指している方も多く通われています。」
<取材後記>
私達が取材に行かせていただいた時、VIBTには日本人の生徒さんが殆どいなく、Somiさんがおっしゃるように韓国の学生さんも、ダウンタウンの語学学校より少ないようでした。国籍で学校を決めるわけではありませんが、やはり同じ国から来た人達で集まると、その言語で喋ってしまう、ということが多いのが現実です。実際、ダウンタウンのカフェでは、日本語と韓国語はどこからでも聞こえてきます。しかしここVIBTは、ダウンタウンから10分程という距離の割に、英語に触れる確率がぐんとアップするということは嘘ではなさそうです。
VIBTには専門コースも併設されているので、クラスやプログラム自体の人数も多いのかと思いましたが、少人数体制で生徒さんのケアが行き届いている感がありました。取材時も、予定していた生徒さんが見えられていなく、その生徒さんはいつも何があっても連絡をくれていたのに、この時初めて連絡無しでクラスに来なかったそうで、スタッフ、先生みんなで非常に心配していました。彼が見えた時にはみんな、"心配したよ〜!"と口を揃えて、でも何事もなかったことにとても喜んでいました。
さらに、ディプロマコース、MBAプログラムの生徒さん達がいることで、ESLに通われている学生さんは、とても刺激になるのではないか、と思います。ビジネスやコンピューター関係に進みたい生徒さんも多いようですが、アカデミックとコミュニケーションをバランス良く学べるので、他の専攻を考えている方にとっても決して不利にはならないようです。
レポート Jpcanada.com取材班(saki)
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