2003.04.18
Ashton College
『インターンシップに強い!ビジネスとビジネス英語の学校』
98年に開校したこの比較的新しいビジネスの学校は,現在別館にあるビジネス英語プログラムを同じビルに新設予定。3階の改装が急ピッチで進む中,4階のビジネスプログラムの現在の様子を取材してきました。
★提携団体がスタンダードとして長い間、積み上げてきた内容を、Ashtonで学べます。
(Miwaさん:日本語対応スタッフ)
―プログラムの特徴を教えてください。
「特徴としては,提携団体がスタンダードとして長い間、積み上げてきた内容を、Ashtonで学べるようになっていますので、プログラムの内容が充実していて裏付けがあります。例えば6ヶ月のディプロマコースのプログラムは、ひとつひとつ科目をこなし、テストを受けて、それが提携団体に送られてチェックされ,また学校に帰ってくるという手順を経るのです。6ケ月を終えて全てのテストにパスすると、Ashtonのディプロマと提携先団体のディプロマがもらえます。」
―3ヶ月のサーティフィケイトというのは、どういった人にすすめられますか。
「6ヶ月のディプロマを取るほどの時間がない人もそうですが、いきなりディプロマを6ヶ月も申し込んでも続けられるかどうか分からない、不安があるという人が、まずサーティフィケイトにチャレンジするという手もあります。」
―ビジネスコースのコース選択に迷うのですが。内容が似ているものもありますね。
「これからどの分野の仕事についてもビジネスの基礎になる知識をきっちり学びたい、という人にはビジネスマネジメントをお勧めします。MBAのミニチュア版といった感じです。セールス&マーケティングは、半分がビジネスの基礎,残りの半分でCPSAのセールス&マーケティングを学びます。どの業界に行くにしても専門性をつけたい人には、これがお勧めです。プレゼンテーションがとても多いのが特徴で、1ヶ月最低3回はあり、ビジネスのセンスや技術が磨かれます。理論だけでなく実践的な授業として、例えばインターナショナルトレードのクラスでも行われますが、今あるバンクーバーの企業にプロジェクトを提案し、そのままそれを採用してもらったりすることもあるんですよ。」
―ビジネス英語プログラム(BEC)の特徴を教えてください。
「ビジネスで使える英語をバランスよくしっかり学びます。また、当校では希望者はケンブリッジのビジネス英語検定が受験できるようになっています。というのも、このテストではスピーキングとライティングもあり、実際に使える英語の実力を計るため、この英検を受験できるようにすることで授業がバランスよく配分されているのです。」
―それでは、インターンシッププログラムについて教えてください。
「とても人気です。Ashtonは、いくつかの手持ちの提携先から選んでもらうのではなく,生徒さんの希望があれば、コーディネーターと何度もミーティングをして、何のコースを取っていて、将来どういう仕事をしたいのか,職歴はどういうもので、大学ではどういったものを勉強してきたか、などを話し合い,レターも書いて、コーディネーターがその人に合った企業を見つけて来るのです。ホスピタリティの生徒さんが小さなホテルでいろいろな部署を回りたいという希望があれば,小さなホテルに行って派遣先を取ってきます。インタビューにも一緒に行って、その後で正式に決まります。大変評判は良いです。ただ生徒さんにとっては、カナダ人の間に入って仕事をするわけですから、覚悟が要ります。」
―最大何ヶ月間可能ですか?
「6ヶ月勉強した生徒さんは最大6ヶ月間のインターンシップが可能です。3ヶ月勉強した生徒さんは3ヶ月までとなります。ただ、インターンシップはイミグレーションの許可が必要ですので、実際の期間は生徒さんによって様々です。料金は,一律1000ドルで、6ヶ月でも3ヶ月でも変わらないんですよ。それから、BECの生徒さんでも,インターンシップはできます。」
★、トライアルレッスンの時に,周りの生徒にいろいろ聞いて,やっぱりブライアン先生がいい、という話でした。
(Kanaさん:生徒/Hospitality
Management Diploma専攻。インターンシップは小さなホテルを希望。)
―コースを始めてどのあたりですか。
「3ヶ月目です。前は4ヶ月ほどESLで勉強していました。今回は大学卒業してすぐに来たのですが、2年前にカナダに一度来たときも,ホテル関係の学校を回ってみて,そのときにAshtonが気に入りました。決め手は,まずインターンシップがかなり他の学校と違う点です。他の学校でもインターンシップについていろいろ尋ねたのですが,ちゃんとシステムが成っていなくて、レストランのお皿洗いだけとか、そういうことを聞きました。この学校はしっかりインターンシップをさせていただけるようで,その点が大きいですね。あとは、トライアルレッスンの時に,周りの生徒にいろいろ聞いて,やっぱりブライアン先生がいい、という話でした。市内の大きな専門学校からも生徒が流れてきているという話もききました。というのも授業料が高いのと、それぞれの科目でインストラクターが変わるので、たまに言っていることが違い、ホテルで経験の無いその科目の専門の先生が教えているということでした。」
―ブライアン先生は、朝から午後まで、ずっと受け持つのですね。
「ブライアンの実体験の話とか、もう本当のホテルの仕組みとかを全部話してくれるので、それでもっと理解しやすく、面白いです。今やってるのは会計ですが,その前は,プロジェクトで本当のレストランのメニューを作ったりしました。そのときに、まずターゲットになるマーケットを決めたり,自分がどんなレストランを持ちたいとか,いろいろな規則に従って作っていくんですね。自分でメニューや値段を考えていくんです。すごく大変でした(笑)!宿題は毎日で、かなり大変ですが、クラスメイトは皆すごく勉強熱心なので,お互いに教えあって雰囲気はすごくいいです。」
★私は彼らに、たくさんの例を挙げて「関連付け」をして学んでもらうんです。
(Brian先生/Hospitality
Management Diplomaプログラムの“熱い”インストラクター。10年ほどホテルで働き,その後3−4年間自分で会社を興して、コンファレンス・コンベンション施設での料飲サービスを提供していたそう。)
―働いていたホテルは大きかったのですか。
「ええ、様々な部門で働きました。ベルパーソン,フロントデスク,購買マネージャー,料飲ディレクター,経営業務にも携わりました。様々な部署で働いた経験と、自分のビジネスを持っていたことで,より多角的な視野と経験を生徒達に教えられるということは、ある特定の部門の経験しかないインストラクターに比べて利点であると自負しています。」
―バンクーバーには多くのホスピタリティコースがありますが,先生のプログラムの特徴は。
「私自身かな(笑)。いや、実は,多くの生徒達がそう言ってくれます。トライアルレッスンを受けて,このプログラムを取ることを決める生徒さんも多くいますよ。授業中に多くのやり取りがあり、活発に授業に参加してたくさん質問ができるのが良いようです。私は彼らに、たくさんの例を挙げて「関連付け」をして学んでもらうんです。ホスピタリティ業界はおろか、社会人経験が無い生徒もいるので、学科を関連付けて学ぶのが難しい。そこでテーマをできるだけ難しくならないように例を挙げて授業を行います。時にはそれがかなり可笑しいらしく、クラス中が盛り上がります。
生徒のほとんどは、入学して,これが彼らのキャリアの第一歩だと気が付きます。、6ヶ月というなるべく短い期間で、本当にホスピタリティ産業で働いていきたいのか、分かります。多くの生徒は帰国してすぐ仕事が見つかっています。日本のホテルで働き始めた生徒達がメールで私のところに報告してきます。日本のホテルに職を見つけるのに時間はかからないようで、喜ばしいことです。AH&LAのサーティフィケイトとAshtonのディプロマで、より最初の職が見つかりやすくなります。私が心がけていることは、ここを「学校」としないで「キャリアの第一歩」と見なすこと。生徒にはクラスで、将来の職場と同じようにプロフェッショナルに振舞ってもらいたいと思っている。実際,彼らはそのような姿勢を学び,職場で何が期待されるか理解します。そうして多くの生徒から,そういったことをプログラムで学んだことが職場で役立っているとフィードバックが帰ってきます。」
★学校と授業の風景
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クラス風景1.ビジネスマネジメント午後のクラスをナターシャ先生が担当。
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コンピューターラボでは各プログラムのプロジェクトを様々なソフトを使って仕上げる姿も。
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Chris先生と生徒がなにやら真剣にPCに見入っている。プロジェクトと思われる。
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こちらでは講義スタイルで学ぶ生徒達。ボードにぎっしりと書いている様子は,やはり専門学校ならでは。
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新しく改装された3階の生徒用ラウンジ。窓のある、明るくて広いスペース。キッチンも完備。
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3階のフロア正面。エレベーターを降りてすぐ、受付がある。
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★一番自分の中で変わった事は、もののとらえかただと思います。
(Hitomiさん:生徒/International
Trade Management Diplomaの6ヶ月目。)
―6ヶ月を振り返って,どうでしたか。
「ファイナンシャルが今までの科目では一番面白かったです。今まで自分が関わってこなかったことでした。具体的に,ドキュメントとか,お金がないときにどうやって借りるか、といったこと、交渉の仕方などを学びます。現在はビジネスプランを作っていて、アイスワインの日本への輸出がテーマです。
一番自分の中で変わった事は、もののとらえかただと思います。たとえばクラスメートと打ち上げなどの際に集まった時もみんな意識もせずに、商品を見ると、何処の国の商品で、どこの流通会社を使ってるとか、もう既にこれは日本にあるのかとかを話し合ったり、競合しているのは誰になるとか、一通りこのコースで学べた事で、今これはとても遠い夢であっても、将来これを個人輸入できるかもとか考えたりします。あとせっかく多国籍の生徒が集まってるので、近いうちにビジネスを再会しよう、など現実的にはなっていませんが、数年前には考えられかった事も可能性として考えられるようになったのは、このコースで学んだことが自信になってきてるのだと思います。実際英語があまり理解できないときなどに、日本で日本語で学んだほうが効率的なんじゃないかと思った時もありましたが、INTERNATOIONAL
TRADING だからこそ、カナダで勉強できて、よかったと思いました。」
★教えるとき,生徒をGlobal
Citizenにすることを考えるんだ。
(Chris先生/FITTのインストラクター。以前はセールスも教えていたそう。)
―先生のビジネスのバックグラウンドを教えてください。
「10年間、コンサルタントの会社を経営しています。ビジネスプランニング,ファイナンシング、コーチング、つまり顧問です。ファーストフードレストランも持っていますし、衣料品の会社も、これはハンガリーから原料を輸入、本社があるアメリカ・ワシントン州で製造,バンクーバーからカナダに卸されます。セラミックビジネスを持っていたこともあるし、ウェブサイトを作って6ヶ月でそれを売り資金を作ったこともあります。現在は、16万USドルでBC州での環境映画を作って、米国に配給する予定です。
重要なのは,プログラムの授業に、こういった私のクライアントのプロジェクトを持ち込んで,生徒の題材にできること。ある生徒達がとても優れたプランを作ったので,クライアントがこの製品を日本で売ってみないか,というオファーをしたこともあります。つまり、プログラムに現実の世界のビジネスを持ち込むのです。僕は,教えるとき,生徒をGlobal
Citizenにすることを考えるんだ。世界中がどのように関連し合い、どうやって一緒に仕事をし、問題を解決してゆくか。そして、その方法Strategyを教える。つそれで、詳細を教えるときも、CEOレベルで考えさせることで,仕事をするとき,他の会社に勝ることができるんだ。僕のクライアントであるCEO達はそういう人材を求めていると知っているからね。そこで、生徒達に"Just
do it"たとえば電話をして会社に提案をするなど、自分から動くように言っている。多くの生徒が実際に会社にリポートを提出して、会社のCEOから感謝の手紙をもらっているんだ。帰国して,面接の時に何を学んだか話せるでしょう。コースを取った後全体が見えるから,キャリアの方向性を変える生徒もたくさんいるよ。自分がいやいややる仕事でなく、やりたい仕事ができるべきだ、と言っている。つまり、会社のやっていることと,自分のやりたいことを一線上にそろえることを教えている。その為に,会社のやっていることもさることながら,自分自身のことを知らなくてはならないんだ。だから、プログラムを終えたとき,「Chris、誰か別の人物が僕の中にいるような感じがする」と言った生徒もいたよ(笑)。」
★生徒達に敬意を持って接し,生徒達にも他の人に敬意を持ってもらいたい。
(Colinさん:President/弁護士の肩書きも持っていらっしゃいます。)
―学校のポリシーを教えてください。
「一つ目は,私達は,生徒達をカスタマーとして迎えるというポリシーを持っていますので、全ての生徒が、ここで基本的な教育を受けられること。そして、二つ目に,その教育、ディプロマが国際的に価値のあるものであること。私達の全てのプログラムは,国際的に認められた団体と提携しています。3つ目に、生徒達に敬意を持って接し,生徒達にも他の人に敬意を持ってもらいたい。そして正直であってもらいたい。」
―どのような基準でインストラクターを採用していますか。
「インストラクターは皆大学卒業資格をもっていて、経験があり、そして、ほとんどのインストラクターは短期の契約でなく、長期で勤続してもらっています。」
<取材後記>
インターンシップの充実と,提携団体のスタンダードを取り入れた授業のディプロマとサーティフィケイトが取れるという特徴のあるユニークな学校です。毎月,ホールで卒業式が行われる際には,生徒は大学卒業生のようにキャップとガウンで正装するそうです。そして実は地元の学生向けにも様々なプログラムを提供しています。BECプログラムが改装されたきれいな3階へ移転してくるということで、ビジネス英語からビジネスプログラムまで同じビルで学ぶことになります。
ビジネスのプログラムのほとんどが「Management」とあるように、理論や概念を充実させることによって,自分自身の内面をビジネスマンのスタンダードにより近いものに育てていく、モノの考え方が変わってゆく、ビジネスの視点になってゆく、プレゼンやネゴシエーションといったビジネスの表現手法によって自分を表現してゆく、そういったことにより時間をかけられるプログラムのようです。ESLと同じ様子を期待していくと随分違い、ビジネスの学校独特の雰囲気で、皆さん本当に勉強熱心だそうです。
今回取材に協力していただいたインストラクターのお二人は、とても経験豊富で、テキストの内容をはるかに超えた、ご自身の言葉で語る授業をもっておられる様子が印象的でした。
レポート Jpcanada.com取材班(kiri)
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