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「はい。当校の始まりは、1998年にノース・バンクーバーで開院した、BC州初の指圧専門クリニックです。創設者の池永清は、1人でも多くの方に指圧の良さを知ってもらいたいという願いから、同クリニック内に指圧師養成専門学校を開校いたしました。今年で16周年になりますね。
以来、日本人を初めとするアジア人や地元カナダ人はもちろんのこと、ヨーローッパ、南米、オセアニアなどの世界各国から留学生を受け入れ、多くの指圧師を輩出してきました。指圧クリニックと学校を兼ねたこの施設では、実習中の学生による全身指圧<スクール・クリニック>をリーズナブルな値段で提供しております。また当カレッジ専属のプロの指圧師による症状別に合わせた施術を提供しており、たくさんのお客様が通われています。
当校付属のジャパン指圧クリニックでは、他にもイエールタウンやショッピング・モール内など計6ヶ所に指圧クリニックを併設し、指圧の普及に努めています。」
「はい。まず当校では、日本の正しい<浪越指圧>を教えている、ということがポイントではないでしょうか。浪越指圧とは指圧の創始者である浪越徳次郎先生によって体系付けられたもので、指と手のひらだけを使って圧をかける最も伝統的な指圧療法です。指圧は世界に広く普及していく中でいろいろな流派が生まれましたが、バンクーバーでこの浪越指圧を教えているのは当校だけとなっております。
日本人経営も当校のみですね。創設者は日本指圧専門学校にて浪越先生に師事しており、日本指圧協会の初代カナダ支部長に任命されています。当校ではその繋がりから、世界最高水準と言える、日本指圧専門学校の教材(英訳したもの)を使うことができるのです。
また、当校の<指圧セラピスト&スパ・マッサージ・コース>は1070時間あり、そのうち350時間が臨床実習にわりあてられています。数週間のサーティフィケートを発行する学校はあっても、実践にこれだけの時間数を設けた学校はなかなかありません。カナダBC州指圧協会に指圧セラピストとして登録するために必要な規準も満たしていますので、卒業後の就職にも有利です。」
「フルタイムで一年、パートタイムで2年でディプロマを取得する、プロの指圧セラピスト養成プログラムです。(*留学生は学生ビザの取得が必要なため、フルタイムでの受講となります。)カリキュラムは主に、解剖学・生理学・指圧・スパ・実習(スクール・クリニック、フィールドワークでの実践)に分かれ、非常に実践的なプログラムになっています。
当校ではこれまで、指圧とスパは別個に提供していたのですが、今年から指圧プログラムにスパ要素(スエーディッシュ・マッサージ、タイ・マッサージ、リフレクソロジー、アロマセラピー)を取り入れて、より北米のニーズに合ったカリキュラムに改善しました。指圧とスパの両スキルを身につけることで、卒業後の進路の幅が広がると思います。」
「はい。短期サーティフィケート・コースとして、チェア指圧コース(3.5週/63時間)と基礎指圧コース(8週/144時間)を提供しています。いずれも学生ビザが必要ないので、ビジターやワーキングホリデーの方でも取りやすくなっています。介護関係のお仕事をされている方にも人気ですね。指圧セラピスト&スパマッサージ・コースへクレジットを移行できるので、最初に短いコースから始めて最終的にディプロマを取得される方は多いですよ。」
「はい。2013年までの卒業生を対象とした統計では、留学生の内48%の方が卒業後カナダに移民されています。当校を卒業すれば必ず移民になれるということはありませんが、指圧師はスキルド・ワーカーのカテゴリーになるうえ、カナダにはまだまだ指圧師が少なく需要があるということから、可能性としては高いのではないでしょうか。実際に、多くの方が卒業後に移民になられて指圧師としてカナダ国内で活動されています。当校付属の指圧クリニックで卒業生の受け入れを行っていることも、卒業生にとっては大きな魅力だと思います。
他にも、北アメリカのホテルなどのスパやマッサージ・クリニックで勤務される方、クリニックをオープンされる方、指導者になる方など様々です。母国へ帰国後に開業し、政府に指圧の効果を働きかけた結果、指圧が保険でカバーされるという素晴らしい功績を残した卒業生もいるんですよ。」
「指圧師になりたいという真剣な気持ちとやる気が一番大切なので、具体的な条件は設けていないのですが、中級レベルぐらいの英語力は必要です。授業は全て英語で行われますし、スクール・クリニックにお見えになるお客様のほとんどがイングリッシュ・スピーカーです。希望があれば英語のインタビューができますので、心配な方はお申し出ください。」
ノース・バンクーバーの スクール・クリニック |
受付 | <指圧の心は母心>で知られる、 指圧の創始者、浪越徳次郎 |
癒しの空間でおもてなし | クリニックルーム | プロの指圧師による施術を 受けることもできます。 |
「指圧は、解剖生理学的に定められた指圧のツボをおすことで、人間が本来持っている自然治癒能力をひきだし、体の機能を正常に近づけることを目的としています。例えば近代社会では、パソコンの使いすぎによる変頭痛ですとか、肩や首のコリ、または長時間座り続けることからくる坐骨神経痛などで悩む人が多いですが、そういった症状の痛みの緩和や病気の予防ですね。
私達の体は様々なストレス・サインを出していますが、それに気がつかないでいたり、または気づいても無視して放置おくと、首が回らなくなったり、思わぬ病気に繋がってしまうことがあるので、指圧でコリをほぐし、そこまで至らないように予防するのです。細胞が刺激されて血液の循環が良くなるので、冷え性の方にも効果がありますよ。
また、どこかが悪いからではなく、リラクゼーションや体調維持のために指圧をうける方も多いですね。心と体は繋がっているので、指圧で体の緊張をほぐすことで精神的にもリラックスし、その結果不眠症が治ったり、高い血圧を下げるといったような効果も期待できます。」
「実習に入る前には必ず、144時間の<基礎指圧>というクラスを受講していただきます。学生はまずここで、指圧の一通りの知識を学び、自己指圧を通して正しい圧のかけ方を学習します。自分の体を圧すことで、どこを圧すとセンスィテブなのか、どれぐらいの圧を入れると良いか、といったことを体で覚えていくのです。次に<チェアー・指圧>といって、椅子に座った状態の人への指圧の施し方を学びます。そして最後に、約660点を押す全身指圧をしっかり学び、練習します。
基礎指圧クラス終了後の記述試験と全身指圧の施術試験に合格して初めて、スクール・クリニックにデビューできるという流れになります。」
「はい。75分から90分の全身指圧を200名のお客様に提供するのですが、あくまでも研修生として、スーパーバイザーの指導の下で行われます。お客様1人1人の症状や体調、その日施した治療などを細かくカルテに記載することも実習の一部です。同じお客様でも毎回コンディションは違いますので、そういったことを考慮して、丁寧に圧していきます。
スクール・クリニックでの実習とは別に、学校やイベント会場などの公の場で施術を行う、フィールドワークの課題もあります。スクール・クリニックとフィールド・ワークは、個々の事情にあわせてスケジュールを組む事が出来ます。卒業までに合計350時間の施術が義務づけられています。」
「カナダでは、指圧は痛いものだというイメージがあるようで、それを求めていらっしゃるお客様が多いんですね。ですが指圧は筋肉の硬さに合わせて押していくもので、基本的に痛いものではないんです。あまりにもぐりぐり圧すと筋繊維を破壊してしまうので、気をつけなければなりません。指先で次第に筋肉を感じることができるようになり、ゆっくり持続圧を加える事で筋繊維がゆるんでいきます。
それから指圧は力で圧すものではなく体重圧なので、指圧師にとって大切な商売道具である指を痛めないように、自分の体の重さをコントロールしながら垂直圧をかけていかなければなりません。どのような姿勢をとればそれができるか、というのは、200人に施術をしていくうちにわかってくるようになります。
頭で分かっていても実際にやってみないと分からないことは多いですし、実習から学ぶことは大きいですね。」
「はい。指圧をしていて一番楽しいのは、施術後のお客様の表情を見る時です。来た時はストレスでいっぱいになっていた方が、とろけるような表情でリラックスされているのを見ると、本当に嬉しいですね。人を癒すことに喜びを感じる人には、とてもやりがいのある職業だと思いますよ。」
解剖学の授業 | 全身指圧の練習 | ローカルの学生が多く 受講されています |
解剖学で使う、人体模型 | 頭から足の先までの660点の ツボを全て覚えます! |
背中側にもこんなにたくさん! |
「僕は日本ではマッサージ・セラピストをしていたので、その路線で英語圏で働くとしたら何ができるかを考えたんです。いろいろ調べてみると、指圧という言葉が英語圏内でもかなり広まっているということを知りまして、指圧師になればこっちでも自信をもって仕事をしていけるのではと思い、この学校への入学を決めました。」
「そう期待していたのですが、全然でしたね(笑)。マッサージと指圧は、全く別物と言ってもいいと思います。この学校で人体の解剖学や生理学を基礎からしっかり学んでみて、今までは何にも分かっていなかったんだなと思いました。ここにこんな筋肉が走っていたんだ!とか、この神経はここに繋がるんだ!とか、本当に学ぶことが多くて奥が深いですね。」
「先生方はみなさん親しみやすくて、かつプロフェッショナルです。授業はすごくフレンドリーな感じだったのにいきなり追試があったりして、厳しい所は厳しいですね。容赦ないです(笑)。日本人だからといって特別扱いも一切ないです!ですが少人数のクラスなので、質問しやすい環境ですよ。
学校の雰囲気は和気あいあいとしていますね。学生同士みんな仲が良いです。僕は講義の英語が分からない時は、ローカルの学生に聞いて助けてもらっています。」
「毎日3時間ぐらいでしょうか。英語というハンディーがあるので、なんとか授業についていこうと必死です。ですが決してネガティブな感じではなくて、早く仕事ができるようになりたい、という前向きな気持ちで勉強しています。」
「手ごたえは毎回感じますね。50人単位ぐらいでスキル・アップしているように感じます。最近では施術していて筋肉が硬くなっている所があると、その筋肉がどこの器官に繋がっているかで、お客様のどこが悪いのかが分かるようになってきました。痛い所が必ずしも疾患のある所、というわけではないので、そこが面白く、やればやるほど勉強になります。僕はまだまだですけれども、筋肉や骨の構造を知り、実際に体に触れることで少しずつわかるようになっていくことなので、実践の機会をいただけるのはすごくありがたいですね。
毎回お客様が違うので、お客様に教えてもらっているという感じがあります。」
「いや〜、でもそれぐらいは必要ですよね〜。やはり体で覚えていくものなので、プラクティカムに力を入れている学校にして良かったと思っています。逆に1日でも休みを取っちゃうと、体が覚えたことを忘れてしまいそうで怖いんですよ。休み開けの最初のお客様の時は相当慎重になります。
多い時で1日4人ほど施術していますが、不思議と施術中は疲れを感じません。お客様の筋肉の硬さが取れた時は本当に嬉しいし、うまくいかなかった時は申し訳ないなという気持ちになります。ですが何度か施術を繰り返すと良くなっていくケースもあるので、そういったこともお客様にアドバイスさせていただいています。」
「マッサージ・セラピストとしてのスキルと指圧師としてのスキルの両方を活かしたやり方がきっとあると思うので、そういったところを突き詰めていきたいなと思っています。将来的には自分のクリニックを持てたらいいですね。」
ショッピング・モール | パークロイヤル | パウエル祭 |
日本人なら一度は耳にしたことがある、指圧。
その歴史は古く、神話時代にまで遡ることができるのだそうです。原点となるのは解剖学や生理学が発展するずっと前の昔から、人間が行ってきた「手当て」。薬を使わずに手のひらで痛みを和らげようとした人間の知恵です。
現在の指圧技術の創始者である波越徳次郎先生は、幼い頃からリウマチの母の痛みを和らげたいという一心から揉んだり擦ったりするうちに、指で押すことで痛みが和らぐことを発見されたのだとか。まさに<指圧の心は母心>。
この学校でも、親や祖父母を助けたいと言う気持ちから指圧を学びに来られる学生が多いそうです。
さて、今回の記事作成にあたり、記者はスクール・クリニックで生まれて初めての全身指圧を受けてきました。
担当してくださったのは、取材にもご協力いただいたMasashiさん。すでにこれまでに277人ものお客様に施術を施してきたそうです。660点のツボの全てを押すという一連の流れがとてもスムーズで、研修生だとは思えないほどの確かな腕とプロフェッショナルな施術に感動しました。
スクール・クリニックに10年以上通われている常連さんがいらっしゃることにも頷けます。
この学校のトレーニングの質の高さを、身をもって確認できました。
指圧はまだまだこれから需要が高まるだろうと言われている手技療法です。
手に職系プログラムが気になる方、カナダ指圧カレッジならパートタイム・コースからでも始められます!まずはご自身で体験されてみてはいかがですか?